-物語より- 「女の子と安らぎのかたち」.
「私らしさってなんだろう?」
気がつけば、女の子はずっとその答えを探し続けていました。これがまさしく私だと思える、おそらくとてもくっきりとした輪郭の、何かを。永遠に安心できる、自分だけの居場所を。
好奇心でいっぱいの女の子は、いくつもの色とりどりの世界へ胸を弾ませて出かけて行きましたが、ここだ、と思える場所はどこにもありませんでした。
「どうして、見つからないの。」
女の子がため息まじりに呟くと、その白い吐息は
” 気 づ い て ”
と、文字のように浮かんでは、すぐに消えました。不思議な文字を目で追っていると、ふふふ、とどこからか誰かの笑い声がします。それとも風の音・・・?
「あなたのこと、ずっと見ていましたよ。あなたが生まれる前から…って言ったら信じるかしら?」
なぜだか女の子は、この声の主は「月」だとわかりました。正確には、"知っていた"のですが。
ふと空を見上げると三日月が優しい光で照らしてくれていたことに気づきました。慣れ親しんだ、柔らかな光。
「安心して旅を続けなさいな、可愛い子。いずれあなたは知ることになるでしょう。ただし、私がいつも側にいることはどうか忘れないで。」
月は女の子に「安らぎの気持ち」を贈りました。それもダイヤモンドで素敵にラッピングして。
初めて目にする「安らぎ」とは月の形をしていたことに驚くと同時に、女の子は今まであれほど一生懸命探していたものが一体なんだったのか、さっぱり思い出せなくなってしまいました。
「私らしさってなんだろう?」
気がつけば、女の子はずっとその答えを探し続けていました。これがまさしく私だと思える、おそらくとてもくっきりとした輪郭の、何かを。永遠に安心できる、自分だけの居場所を。
好奇心でいっぱいの女の子は、いくつもの色とりどりの世界へ胸を弾ませて出かけて行きましたが、ここだ、と思える場所はどこにもありませんでした。
「どうして、見つからないの。」
女の子がため息まじりに呟くと、その白い吐息は
” 気 づ い て ”
と、文字のように浮かんでは、すぐに消えました。不思議な文字を目で追っていると、ふふふ、とどこからか誰かの笑い声がします。それとも風の音・・・?
「あなたのこと、ずっと見ていましたよ。あなたが生まれる前から…って言ったら信じるかしら?」
なぜだか女の子は、この声の主は「月」だとわかりました。正確には、"知っていた"のですが。
ふと空を見上げると三日月が優しい光で照らしてくれていたことに気づきました。慣れ親しんだ、柔らかな光。
「安心して旅を続けなさいな、可愛い子。いずれあなたは知ることになるでしょう。ただし、私がいつも側にいることはどうか忘れないで。」
月は女の子に「安らぎの気持ち」を贈りました。それもダイヤモンドで素敵にラッピングして。
初めて目にする「安らぎ」とは月の形をしていたことに驚くと同時に、女の子は今まであれほど一生懸命探していたものが一体なんだったのか、さっぱり思い出せなくなってしまいました。